爆発のというよりは、
叫びの方が
耳についている。


血まみれのまま、
鞄を掴み、飛び出し、
車に飛び乗る。

どこか安全な場所へ
いきたい。


待て・・・


その前に、
無事を確かめるべき
人間がいるじゃないか。


爪と皮膚の間に染み込む
養父の血を見ながら、
携帯電話を操作する。


永遠にスピーカーから
なり続くコール


胸騒ぎがした。


圏外を知らせる携帯電話も

なりっぱなしのコールも


普段の養母では、
ありえなかった。



モニカ・・・



モニカにも、
コールする。






でない・・・




考えるより早く、
車のアクセルを
おもいっきり踏んだ。



エンジンの回転

ベルトが焼き切れるほど
甲高い音がした。


この季節にしては
やたら暑い午後も、後半に
かかる頃


俺は、


モニカに逃げていた。



目に見えない
何かから


逃げたくて・・・