海底から立ち上がる
クソでかい超高層構造物


『メトロポリス』


各階層毎に、
居住区や商業施設などが
詰め込まれた
人類屈指ーーーーの、
資産らしい。


俺にいわせりゃ、
人類屈指の『負の遺産』にしか
なりえないが・・・。


明日の、H&Tパーティーは、
この2階のホール、ほぼ全部を
借り切って行われる。

この巨塔では、憲章やら条例等
法が有効となる。

いわゆる法治国家だ。

あの、スラムの様に
暗黙の了解で、
刃物やら、銃をぶっ放すなど
言語道断だ。

モニカに、
よく言って聞かせねば
ならない。

・・・アイツは、
キレたら、お構いなし
だからな。


そんな事を思いながら、
会場の下見をしていると、
キムから連絡が入った。


『旦那、今夜、
ちょっと会えねぇか?』


「ああ。仕事の話なら、
リディアに言付けてくれ。
それとも、別件か?」


『ああ。見せたいモノがある。』


歯切れの悪い、奴のモノ言いに
疑問を抱きつつも、
いつもの時間と場所で
会う約束を交わした。