そのためだったら
何だってするだろう。


嘘だって平気でつく。

人だって殺す。

虐殺だって厭わない・・・

誰とだって寝る。
情報だってとる。
平気で、誰かを裏切る。
自分だって傷つける。


だけど


そんなこと、

きっとジニーは
望まないのだけど。



心配そうなジニーと別れ
あの部屋へもどる。


屍と臓物が飛び散る
その場所へ。


アイツを地獄へ導く為に。




数時間も経たない内に、
真新しい重厚な扉と
新たな屈強な門番を置いた
その空間は、
私が、彼に連れられたあの日と
大差がなくて。


長い直線の廊下が終わる
地獄の入口・・・

絨毯に染み込んだ、
ゴウの血痕だけが、
ついさっきの出来事が、
現実だと、知らしめていた。

まだ、鉄サビの様な匂いが
鼻をつく。


「ほう。戻ってくるとはな。」

不気味な祭壇のような
台に腰掛け、奴が言った。

「逃げ出すとでも思った?」

無意識のうちに、
私は、挑戦的な笑みを
浮かべていた。