私がその後姿に、見とれていると。

「ナナ、どこ行ってたの?そして、なに見てんの?」

突然背中から、声がかかる。

「きゃっ!」

私が驚いて、声を上げると。

「ナナってもしかして、あーいうのがタイプだったり?」

振り返るとユリが、寂しげな顔で、立っていた。


「えっ?ううん、そんなんじゃ・・・。」

私は小さく首を振る。

「ナナってば、そんな真っ赤な顔して否定されても、説得力なしだよ、まったく!」

ユリはそう言いながら、続ける。

「確か、同じクラスのシュンくんだっけ?サッカー部のレイジくんと仲がいいんだよね。なんかいつも図書室で、部活終わりまで、レイジくんのことを待ってるとか?サッカー部のマネージャーの子から聞いた話しだけど。」