「きゃっ!」

そんな悲鳴をあげながら。

避ける間もなく。

私はその場へと倒れ。

両手のプリントは見事に、廊下の床へと散らばってしまった。


ぶつかった相手は、見事な運動神経で、軽々と体勢を立て直すと。

「おっと!悪ぃ~。急いでんだ!」

片手でごめんなさいのポーズをしながら。

「シュン~!あとは頼んだぁ~!」

そう言って。

もの凄いスピードで、階段を降りて。

その後姿は、アッという間に消え去って行ってしまった。