・・・どこからか。

赤ちゃんの泣き声が聞こえてくる。


私が振り向けば。

そこにはベビーベッド。

赤ちゃんを抱き上げようと。

のぞいたその中には。

血まみれで、真っ赤になった赤ちゃんが、横になっている。


叫ぶのと同時に。

汗まみれで、私が目を覚ますと。

心配そうな顔のユリが、私の顔をのぞき込んでいた。

「うなされてたけど、大丈夫?」

ユリの声を聞いてホッとして、私は小さくうなずいた。


濡れたタオルで。

ユリは私の顔の汗を拭いてくれる。

「ねぇ、ユリ・・・。」

「うん?」

「私、人殺しになっちゃった・・・。」


濡れたタオルを、ベッド横の台の上に、ユリは置くと。

「・・・ナナ、それならあたしも共犯だよ。」

そう言って、ユリは私の手を握りしめた。