憧れのシュンくんとの遊園地での時間は、とても楽しいものだった。

ユリも近くにいてくれて。

緊張しているレイジくんの動きも、面白い。


レイジくんが観覧車に乗りたいと言ったとき。

ユリがそっと、私の耳元で囁いた。

「あたしとシュンくんを、二人きりにさせて。」

私がユリの顔を見ると。

ユリは静かに、うなずいた。


遊び疲れていたのか、シュンくんが、ベンチで座って待っていると言ったこと。

そしてレイジくんが、観覧車に乗りたいと言ったこと。

ユリにはきっと。

シュンくんと二人きりで話し合える絶好のチャンスだと、思えたんだと思う。


レイジくんは、みんなで一緒にというか。

ユリと乗りたいみたいだったけれど。

ユリの囁きを受けて。

私は思い切って、自分も観覧車に乗りたいと申し出た。