私が全部話し終えた後、ユリが呟いた。

「ごめん・・・。ごめんね、ナナ。あたし親友なのに、全然気づいてあげられなくて・・・。ごめん、本当にごめん。」

そう言って、なんども頭を下げる。

私は小さく首を振ってから。

「お母さんが死んだのは、もともと私のせいなんだし、私が産まれて来なかったら、お母さんは生きていたはずだから・・・。お母さんの手紙での最後のお願いがそうであったように、私がお母さんの代わりになるのは、当然のことだから・・・。」

そう言った。

「ナナ・・・。ナナのお母さんは、そんなこと望んで、その手紙をナナに残したんじゃないよ?自分の命を捨ててまで、ナナを産むことを選んだ、素敵な人なんだよ?」

ユリが真剣な顔で問いかける。

「・・・うん。でも、正直分からない。お父さんが、お母さんの名前を呼びながら涙を流したとき、なんていうか、抱きしめてあげたいって、なにも考えずに、ただ純粋に、そう思ったの。」

本音だった。


ユリはなにも言わずに、そんな私をもう一度、優しく優しく抱きしめた。