私は一瞬の動揺を隠せなかった。
ヒロを引きずってるわけではない。
でも…トラウマに近いものがあった。
ヒロとは別れてから一度も話してなかった。
声を掛けれずにいると、ミヤ君が私に気付いてくれた。
『おっ、やっと来たな♪んじゃ、ヒロばいばーい!』
私よりもヒロは驚いた顔をしていた。
私を見て、目は合わせて来なかった。
きっと知らなかったんだろうな。
『…お待たせ!帰りますか♪
…………中田君、バイバイ。』
ミヤ君は私がヒロをどれだけ好きだったか…きっと誰よりも知ってる。
それでも、毅然と振る舞ってくれてるんだ。
ここで私が動揺したりしたら、ミヤ君を傷つけるだけ。
私だって堂々としなきゃ。
そう思って、ヒロにバイバイを言った。
もう、ヒロとは呼ばない。
私はミヤ君が好きだから。
今、私の隣にいるのはミヤ君だから。
ヒロ…中田君、さよなら。
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