ミヤ君の待つ教室へ行く。
中から笑い声が漏れていた。
…えっ?
誰かいるのかな?
それはちょっとイヤだなぁ…。
中をから聞こえる声は亮平君のものだった。
亮平君なら…いいかなぁ?
「…ミヤくーん?…………………!えっ!」
中を覗いた私は声を失った。
驚いたなんてものじゃない。
ミヤ君、亮平君………髪がない!
「えっ?えーーーっ!朝まで髪あったよね!?」
『驚いたっしょー?みんなで坊主にしちった♪』
そう言う顔は照れたような、何か吹っ切れたような顔をしていた。
『んじゃ、亮平は明菜が待ってるんでしょ?お邪魔者はいなくなるから、ばいばーい♪』
「ったく、どっちが邪魔者なんだよ。ばいばい!」
そう言ってミヤ君はわたしを連れて教室を出た。
『あっちのほうでいっか?』
二人で人目の着かない廊下の端に向かう。
…ここは4月、わたしが一人でいたときにミヤ君が声を掛けてくれた、始まりの場所だ。
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