…なんてことだ。



僕は持っていた箸をぽろりと落とした。



「あれ?まずかった?」



そう言う母を横目に僕は携帯を取り出し、悟志に電話をかけた。



「も…しもし。」



悟志の声が雑音で途切れる。



「まさかお前、今移動中?」



僕が尋ねると、



「うん。っていうか、もうお前んち。」



すると、



ピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。



うわ〜〜〜!



為す術もなく、悟志がうちに来てしまった。



どうする。どうする。



僕の心臓が高鳴る。



「あら、悟志くん早かったのね。」



ぱたぱたと玄関口に出迎える母。



僕はこの時ほど母を恨んだことはない。



僕はダッシュで玄関に向かい、



「よぉ、今日は外で遊ぼうぜ!」



僕は悟志の背中を押して外に出そうとした。