「これ……一応、風邪の薬です」

お茶をポットからマグカップ注ぎ、
一緒に一樹に手渡した。


「あ、ありがと……」

「私、氷嚢作ってきますね……!」

幸枝は、また部屋を飛び出した。

正に至れり尽くせりだった。

一樹はカップを覗き込んだ。

……赤い。

この前のお茶と同じだ。