その建物には、銃弾の痕と、執行庁側が要人に着けたSPの死体が散らばっていた。


しかし、散らばる死体の中、純一と和孝の遺骸だけが、奇妙に並んで残されていた。

そして、猟奇的な目的のためか、別の作為があるのかは不明だが、二人の首から上はすっぱりと無くなっていた。

だが、指紋や遺伝子が登録してあるものと一致し、彼らCPG二人の殉職が確定したのだった。



死体の中に、彼等が護衛した男はいなかった。

連れ去られたのか。

殺してから、遺体を持ち去ったのか。


それとも、寝返ったのか。


あるいは、最初から裏切っていたのか。
 


何もかも分からなかった。



発覚した時、その施設はとうにもぬけの空で、家具も資料も残っていなかったのだ。
 
団体『新希光会』は、何も反応しなかった。



そもそも、そんな団体は無いかのように、様々な世界から、


『新希光会』はごっそりと姿を消していた。