「おはようございます。
……どうしたんですか?」

「風邪……」

鼻声で答えると、
幸枝は表情を変え、


「大変っ……じゃあ、今すぐお茶持って来ます。
く、薬も…とにかく、探して来ますね!」


ぴゅうっと踵を返した。

一樹はそれを見届けて、ソファーに戻った。

しばらくすると、幸枝がお茶のポットや手提げを持って走って来て、
小さな紙の包みを取り出した。