いつの間にか眠っていて、
気が付いた時はもう次の日だったのかもしれない。



自分を呼ぶ声とインターホンの音がした。

「一樹さーん…?」

幸枝だ。

そういえば幸枝には訊きたい事があった、
と思い出し、ソファーから降りた。

かなり気分が悪い……吐き気もする。


だが、幸枝を無視するわけにもいかない。

自分の過去を知る手がかりになるかも知れないのだから。

一樹は、ドアを開けた。