「……そういえば、そういえば、CPGについてる担当官ってのは、その刑務官から派生したものらしいね。

だから現在のCPGの体制が整って無かった頃は、何でだか知らないけど、色んなとこから刑務官掻き集めて雑用やらせてたんでしょ? 

彼等も迷惑したろうね……あ、でもいいのか、もう死刑囚殺さなくて済むんだから」

 
北條は、苦笑いしながら倉本の肩をぽんと叩いた。

心なしか、額に汗が浮かぶ。

「先輩、言い過ぎですよ。

……さあ、作業に戻りましょう? ちょっとでも進めなきゃ……」

「そーお? 僕はこのくらい言っても良い気がするけどなぁ……」

「駄目です。

それに、俺達の仕事が、この現状を打開するのに最も重要だって事、忘れちゃったんですか?」
 

倉本は、ふんと顔をそむけた。北條が続ける。


「このプログラム……


『エンプティ・ハンプティ・ダンプティ』が無事に戻れば、

新しいCPGはいくらでも『造れる』じゃないですか。

今は廃止なんて言ってるけど、実現すれば必ずまた再開する。




……その為に俺ら、頑張ってるんじゃないですか」