倉本は、ふうっと溜め息を吐いた。
「しかも所内も今や、色んな意見がごっちゃになってるときてる。
まず、現状維持派でしょ?
あと、CPGを全員拘束して、普通の囚人と同じ扱いさせるべきだ派。
それから、えーと今は忘れたけど他にも色々……まあ、共通して言えるのは、
人権がどうのこうの言ってる割には、どの意見もことごとく人権無視してるってことかねぇ……?」
「うん。でも、俺らが何か言ったところで仕方のない事ですよね……」
「そうかあ? 僕は違うな。
……大体ねー? 僕はこれからはもっと、CPGを大切に扱うべきだと思うん。
だって、病気や事故の他、自殺や『処分』なんかで、毎年確実にCPGは減っていってんじゃん。
極めつけは、この前のテロだよ。
これ以上CPGが減ってみい? そのうち、今の死刑制度は機能しなくなるぜ。
だって、執行する人間がいなくなるんだもん。
それとも、昔みたいに刑務官にやらせるん?
死刑囚の面倒を見てる人達にさあ……」
「せ、先輩……」