「驚いた? 

上層部がありがたがってる天才プログラマーが、こんな落ちこぼれみたいな学歴で……」

「いえ、そんな事は……」

「正直に言いなね。

別に怒らないから。

ちなみに僕は今思ってる事を正直に言うと何か甘いもの食べたい。

売店でプリンかシュークリーム買ってきてほしいんだけど……」

「自分で買ってきてください」

「いいじゃんエレベーター使えばすぐだよ」

「そのセリフ、そっくり先輩にお返しします」

「うぐぅ……」
 
倉本は、何かないかと視線を泳がせ、近くにあったスティックシュガーを一本掴むと、

包みを千切って砂糖を直接舐め始めた。

北條がその姿を見て呆れる。
 
それからほどなくして、ちまちま砂糖を舐めるのが面倒になった倉本は、急にぐいっと上を向き、

砂糖の一気飲みを試みたが、思い切り噎せて室内は一旦大騒ぎとなった。
 
落ち着いてから、倉本は机に肘を突いて、しみじみと呟いた。



「……それにしても、ここは変な所だよねえ? 

執行所……拘置所から護送されてくる死刑囚……そして、彼等に手を下すCPGの青年達。

いつから日本はこんなカオスな国になったんだろうねー?」