「ははっ……まあ、仕方ないですよ。
俺だって、似たような感じでここにいるんですから」
「……正直、それがむかつくんさ」
倉本は、不機嫌そうに言った。
「大体何なん?
僕を無理矢理連れて来たくせに、それでちょっと時間かかるっつってんのに、
いつの間にか新しい人間連れて来て?
二人で仲良く解析しろって事なん?
これだから、この国は嫌だよ。あー、アメリカ行きてー」
「落ち着いて下さいよ倉本さん。
……ていうか、何ですかアメリカって」
「アメリカはアメリカだよ。
実際、向こうのいくつかの研究機関から、お声がかかってるんよー……
やっぱ僕だって、変なしがらみとかがない世界に行きたいんさ。
だから実力オンリーでどこまでも行きたい……」
「ふえー、そりゃ凄いですね」
「そんでもって、向こうで美人のお嫁さん貰って好きな研究しながら、一生パソコンで仕事するんだ」
「でも……」
北條は、首を傾げた。