頭に、鈍い痛みが圧し掛かる。

喉も少しきりきりと痛んだ。

一樹は首や額を触ってみた。

……少し、熱っぽかった。


完全に、風邪の症状だ。

一人になった途端、
急にそれらの症状が気になり出した。

一樹は妙に心細くなり、
それに気付いてしまった事に忌々しそうに舌打ちして、
床から毛布を拾い上げ、
ばふっと頭から被った。


「……ふんっ」


別に寂しくなんか無い。



……多分。