玉城は、元気良く電話を切った。

「……ふー。まー君はいつもテンション高いなー……」

「で、結果は?」
 
進藤の小さく低い声に、玉城は一瞬、何の事だろう? という顔をした。

「………! うああーあ!」

玉城は椅子に乗ったまま、ガラガラガラガラ! と音を立てて進藤から離れた。

途中、ぶつかった書類の山がいくつか倒れ、紙が騒がしく宙を舞った。


「やめてーよしてー怒らないでー! 

もう一回かけ直すからー!」

 
進藤は、無言で玉城と距離を詰めていく。

「来ないでー! イヤ――ッ!」
 
進藤は、無表情で玉城と距離を詰めていく。
 
玉城の背後は、行き止まりだった。


「大体、何でこのクソ忙しいのに! 

私が専門じゃないやつの検査まで押し付けられなきゃなんないんだよーぅ! 

私がだめだめ人間なのなんて、今更でしょーう!?」