晴喜を廃墟から連れ戻した日、一樹も光も、晴喜も、皆ボロボロだった。
 
中でも一番怪我が重かったのは光だったが、その代わりに光は途轍もない情報を持ち帰ったのだった。
 
光は入院ベッドの上でぺらぺらと、思い出した事をあれこれ報告しまくった。
 
『リーナ』と名乗る同い年くらいの『少年兵』と対峙した事。

少女のような成りをしていながら、光の証言によるとそれは確かに少年だったという。


「……だーかーら、腹いせと気紛れに、

気絶したそいつの胸掴んだらぺっちゃんこだったの! 

まあ、声とかも明らか男だったけど、

こうなるんだったらやっぱちゃんと下まで確認すれば良かっ……」
 
ちなみにこの報告の折り、それ以上を喋ろうとした光は、進藤に額を引っぱたかれた。


光の怪我のほとんどは、その時の戦闘によるものだった。

勝ちはしたものの、結局逃げられた。
 
しかし、一度光はリーナを拘束していた。

持って行ったガムテープで。