「――ぃっぐしっ!」


不意に、一樹がくしゃみをした。


「風邪か?」

「……かも」

「後で薬持って来てやるよ。今日はもう寝ちまえ」

樋口はそれだけ言い、
一樹の部屋を後にした。


また、くしゃみをした。 

「……参ったな」