「じゃあな、二人とも」

「ああ」
 
一樹だけが返事をしたが、光はそれで満足そうに笑った。
 
彼はそのまま、慣れない様子でじりじりと、車椅子で進んだ。
 
だが、部屋から出たところで看護師に見付かった。

「ちょっと、まさか逃げる気!?」
 
と疑いをかけられ、

「誤解!誤解だから!」

弁明も虚しく、光は病室へ強制連行されてしまった。