だが、一樹が思ったのは絶対に誰にも言えないことだった。 死んだのが樋口じゃなくてよかった。 ……それとも、樋口だったら死ななかったかもしれないのだろうか。 どちらでもいいか、そんな、今更どうにもならないような事……。 「……仕方ねーんだよ。 こんな物騒な仕事じゃ。 気にすんな、お前達の所為じゃねーよ。 俺の所為だ」 「………」