説教口調はいつもの通りだが、本調子ではなさそうな樋口。 全身包帯だらけの光は、先ほど看護士達に、 「傷が開く、動くな!」と、車椅子に固定された。 ベッドに横たわったままの晴喜は、顔だけをこちらに向けて、 何やら楽しそうに笑っていた。 ……何か、変なの。 あれだけ大変な事が起こったというのに、いやに皆笑っていた。 それとも、こういう事を平和と呼ぶのだろうか。