「ここから先、自由に行かせない」 青年は晴喜の前に立ち塞がった。 咄嗟に晴喜が身を捻って逃げようとすると、彼は晴喜の腕を掴んだ。 「君は執行所以外に、帰る場所が無いんだろう?」 「うるさい」 「こっちへ来いよ。僕達は、お前に危害は加えない」 「うるさい、放せ!」 「出来ない」 晴喜は空いていた手で彼を叩こうとした。