ああ確か、前にもこんなような事があったような……いつだっけ? 晴喜は、眉を顰めた。 洪水のような記憶は、まだ治まらない。 自分が今している事が、『現在』だという確証が持てない。 所々破けた悪趣味なゴスロリ。 ぐしゃぐしゃに乱れた髪。 体中の小さな怪我。 指先に出来た血肉刺と水膨れ。 やっとの思いで鎖を千切った、両手首に繋がったままの手錠。 それが今の自分の姿であるはずなのに……。