「あなた何者?」
 

晴喜は体を起こし、彼を見つめた。


「それは、誰の血?」


「……言えない」


「ならどいて。

私、……帰らなきゃ」

晴喜が壁を支えに立つと、青年もすくっと立ち上がった。


「どこへ?執行所?

自分を今まで束縛していたのに?」


「どいて」


「駄目だよ」