しばらくそれが何だか分からなくて、
一樹は腹の辺りが気持ち悪くなったと勘違いしていたが、


(あ、久し振りに腹減って来たのか……)


体の本能というのは案外現金なんだなと感心した後に、
妙にほっとした。


(……良かった。
俺の体、まだいくらか正常な部分が残ってるのか)


だけど、とっとと食事を済ませて帰ってしまおう、と思った。