「知ってる?いっちゃんって、
スクールじゃ結構人気者だったんだぜ?

普段は無口で素っ気無いのに時々やけに甘くてさ、
今考えてみたらツンデレだよね、ツンデレ!」


光がにやにやしながら言うと、一樹は怪訝そうに尋ねた。


「『ツンデレ』って、何だ?」


 光はきょとんとして、


「知らねーの?」

「知らない」

「教えてやろーか?」

「あー、別にいい」

一樹がバック――皿が入っている方――を開け、
破片をいくつか摘み出していると、
光はもうどうでも良くなったのか、
起き上がって玄関に向かっていた。