背後から聞こえる。


まだ、遠い。


それでも、拓馬の足が竦む。


拓馬は後ろを振り向かず、全力で駆け出した。聖なる扉に着いた頃、音は消えていた。


「フー……」


ため息をつくと、鍵を取り出して聖なる扉に挿し込んだ。


扉が、グワングワンと音を立ててゆっくりと開く。


『さぁ、お入りなさい』


中から声が聞こえる。ゆっくりと中に入る拓馬。


小屋の中だと思っていたら、そこは再び草原だった。


遠くの方に町が見える。見たことのない町だ。


別のフィールドに行ったのだろう。


「なんか、いまいちよくわかんねぇな……」


再び歩き出した拓馬は、町を目指した。


そのとき、聖なる扉から何者かが入ってきた。


ガシャ、ガシャ……


「え……」


そこには、ガイコツが立っていた。真っ直ぐ、こちらを見ている。近い。


「やべぇ!」


町に向かって、全力疾走する拓馬。