再び、来た道を戻る拓馬。しかしさっきとは違って、それほど恐怖を感じない。


「鎧があるってだけで、こんなにも違うのか……」


微笑む拓馬。しかし、鎧があってもガイコツに出会ったら最後、敵わない。


油断せず歩き、塔の入り口まで戻ると、再び別の道に入ろうとした。


そのときだった……


ガシャ、ガシャ……


中から、ガイコツの音が聞こえる。その音に、ビクッと反応する拓馬。


しかし、どちらの道から聞こえてくるのか、はっきりとわからなかった。


「どっちだ……」


少しずつ近づいてくる音。


微かだが、真ん中の道から聞こえてくるような気がした。


「こっちか!」


すぐに、右の道に入ろうとする拓馬。


しかし、戸惑う。


もし間違えれば、ガイコツと正面衝突……しかし、迷っている暇もなかった。


音はどんどん近づいてくる。


拓馬はギュッと目を瞑ると、右の道へ走り出した。


真っ直ぐに、全力で駆け抜ける。


そこに、ガイコツの姿は無かった。


立ち止まり、安堵の息を漏らす拓馬。