何もなく、ただただ広い空間。


大きさは、小学校のグラウンドくらいだ。


「なんだ、ここは……」


よく見ると、大広間の真ん中には鎧が一つ、ポツンとある。


「あ!」


拓馬は鎧に走って駆け寄った。


「助かった!」


すぐさま、自分の着ているボロボロの鎧と交換する。


置いてあったその鎧は、さっきまで着ていた鎧とは見た目は一緒だが、着た感じが少し違った。


「よし!」


違和感を覚えたものの、特に気にしなかった拓馬は、再び自信がついた。


守られている、という感じがする。


再び辺りを見渡すが、特に他には何も無い。行き止まりで、先へ進む道も無い。


「え、つまり……」


がっかりする拓馬。三択の道を間違えたのだ。


「仕方ねぇ……」