町の中に入ると、一目散に道具屋を目指した。


「薬草さえあれば、最強じゃねぇか」


拓馬はニヤッとして道具屋に入ると、店主に向かって言った。


「いらっしゃい。ここに売っているのは、薬草だよ」


「薬草をくれ。ありったけ」


「売り切れだ」


「……え?」


唖然とする拓馬。


「そんなわけ……ゲームだろ?売り切れなんか、あるわけが……」


「売り切れだ」


そのとき、店の壁に書いてある文字に凍りついた。


『何回も回復されては、面白くありません。そのため、薬草は、この世界に二個しかありません。十分にお気をつけて、お使いください。』