「えっ、えっ?」


戸惑う拓馬。足がすくむ。


「どうやって動いてんだよ、あれ……」


あと50メートルという所で、ガイコツは急に拓馬目掛けて走り出した。


「うわぁぁ!」


殺気を感じた拓馬は、急いで逃げようとする。が、その恐怖に足が思ったより言うことを聞かない。


小石に躓いて転んだとき、すでにガイコツは拓馬の真後ろにいた。


「おいおい……」


振り返り、ガイコツを見る拓馬。


目は赤色で、肩には鎧が付いている。すさまじい威圧感。


拓馬は横に落ちていた木の枝をとっさに拾うと、勢いよく立ち上がった。


「やんのか、コラ!」


そう叫ぶものの、内心恐怖でいっぱいになっていた。


足がガクガクして、立っているのがやっとだった。


こんな極限のピンチ状態になってやっと、拓馬はここがゲームの中だという真実を受け入れた。