少し悩むと、竜太はすぐに答えを出した。


「でも、たとえ罠でも、敵は今、油断してる。アークデーモンに近くなってることは確かだ。願ってもいないチャンス。どうせ、普通に本気を出されていたら城に入る前に、二人とも殺されてる。こうなりゃ、罠の奥深く入る」


「それで、どうすんだ?」


「相手の隙を突く」


「……相手が、隙を見せなかったら?」


「そのときは、そのときだ」


と、微笑む竜太。その表情を見て、拓馬も覚悟を決めた。


「そうだよな。それしか、ねぇ」


拓馬も竜太に微笑み返した。


二人は互いに決意と共に頷くと、再び走り出した。


「本当だ……拓馬の言う通り、モンスターに遭遇しない……」


走りながら言う竜太。


「関係ねぇ。アークデーモンさえ、殺れればいい」


と、返す拓馬。


「そうだな」