「とは言ったものの……どこにいるんだ、そのなんとかデーモンは……」


呟きながら、ポケットに手を突っ込んでひたすら草原を歩く拓馬。


「車ねぇのかよ、車は」


ため息をつきながらそう呟いた瞬間、向こうの方から誰かが歩いて来る。


「誰か、来る……」


その人物の方向へ歩く拓馬。だんだんはっきりと見えてくる。


「え……」


立ち止まる拓馬。唖然とする。


「なんだ、あれ……」


どう見ても、武装したガイコツだ。


大きさは、拓馬より一回り大きい。右手に剣を持っている。


ガシャガシャと音を立ててこちらへ向かって来る。