よくわからなかったが、拓馬はそれをポケットにしまうと、王様に向かって言った。


「……はい、はい。やればいいんだろ……」


トボトボと城を出る拓馬。


そのまま真っ直ぐ歩くと、町の出口が見えた。


何も考えずそこから出ようとすると、一人の男が声を掛けてきた。


「おい、拓馬。冒険に行くなら、装備を整えた方がいいぞ」


拓馬は男に目もくれず、言った。


「お気遣い、ありがとう」


 そう言い捨てた拓馬は、そのまま町を出た。