その瞬間、拓馬は一つのことに気づく。


ルカの手が、震えている……恐怖に、怯える震え方だ。


それを見た瞬間、迷うことなく竜太に切りかかる拓馬。


「拓馬!」


そう叫ぶと、竜太は拓馬の剣を剣で受け止めた。


カチカチと剣がぶつかる音が鳴り響く。


「ありがとう、拓馬!」


涙声で拓馬に向かって言うルカ。


「バカヤロー、俺を信じろ!」


「黙れ、この化け物!」


竜太の剣を弾くと、サッと後ろへ下がり距離をとる拓馬。構える竜太。


互いに、睨みあう。


「なんでだ……なんで、女を信じる!」


竜太が拓馬に向かって叫ぶ。


「お前には、正直言ってわからない事が多すぎる。信用できない」


「じゃあ、女はなんで信用できるんだよ!さっき会ったばっかの奴を、どうして信用すんだよ!」


「お前とも、さっき仲間になったばっかだろ」


「くっ!」


言葉を探す竜太。