「……なんだよ?」


「罠じゃない?敵の……」


「おーい、何やってんだよ。着いたぞ」


ルカがそう言ったとき、竜太が呼び掛けてきた。竜太を見る、拓馬。


急に怖くなってきた。


「お、おう……」


拓馬は急いで、家の中に一人で入った。


「竜太が?まさか……」


そう呟くと、椅子に座る一人の青年に目がいく。黄色の鎧を着ている。


「よく来た、拓馬よ。私は大魔法使いの一人、雷のヴォレンだ。私はすでに、アークデーモンの呪いによって……」


その言葉は、少しも耳に入らなかった。


竜太が気になって仕方がない。


本当にモノマネなら、とんでもない奴を信用している……


ヴォレンから黄色の石を受け取ったそのとき、外から音がする。


キン!


「え……」


剣と剣が、交わる音だ。


拓馬は慌てて家を出た。