「どこに向かってんだよ、竜太ぁ」


もう、草原を半日も歩いている。


日はだんだんと沈み、辺りは夕焼けになっていた。


「この先に、大魔法使いがもう一人いるんだ」


そう言うと、どんどん進む竜太。


「竜太、ちょっと休憩しようぜ。疲れた」


「拓馬、文句ばっか言ってんじゃねぇよ。女を見ろ」


ルカは、しっかりと竜太に続いている。


その横で、ヨタヨタと情けない拓馬。


「しっかり歩きなよ、拓馬」


拓馬の姿に、クスクスと笑うルカ。


「竜太頼むよ、1分!1分でいいんだ。休憩しようぜ」


「ダメだ。ここでは、休憩できない。ソルジャーがいるんだ」


「ソルジャー?なんだ、それ?」


拓馬がそう言ったとき、背後から音がした。


ガシャ、ガシャ……


「くっ!しまった!」