「なんで、竜太はそんなに詳しいんだ?」


「それは、いずれわかる。着いたぞ」


竜太がそう言ったとき、家はすでに目の前にあった。


話に集中していて、気づかなかった。


「中に、火のローズがいる。石をもらってこい」


竜太にそう言われると、中に入ろうとする拓馬。


その拓馬の背中に、一言声を掛ける竜太。


「拓馬……悪い」


その声に、拓馬は竜太の方を振り返った。


「え?」


「色々、一気に言ってしまって、混乱してると思う。でも、少しずつでいい……思いだしてくれ」


「……」


竜太の言葉に、拓馬は笑顔を見せた。


拓馬は振り返ると、扉の中に入った。


「竜太も、悪気があるわけじゃねぇんだよな……」


拓馬は、さっき怒鳴ってしまったことを後悔した。