私、キスしたかったのかな


キス出来なくて少しだけ残念なような


でも違うような


だけど抱きしめられた温もりはとても暖かくて


もっとこうしてたい


なんて思ってしまった


桜汰君は銀星を抱きながらゆっくりと歩いてく


ねぇ桜汰君…


なんで抱きしめたりしたの


私が可哀相に見えた??



それとも…


特別だから??



じゃあ特別なら私はどぉしたいの??


瑛二は??





ほらね、結局同じ事の繰り返し


心の中で同じ事を何度も考えて


結局答えなんて出ないんだ



そんな自分が情けないよ…



「はぁ……」


溜め息が口から一つ零れ落ちた


「花穂ちゃん??どうした?」



「どうしたって…桜汰君が何で私にキスしたか…」



!!!!



気付いたら独り言のように囁いてた



何言ってんの!!


自分の言ってしまった言葉に
顔を上げられなくなってしまった


だって


あんな大きい声で…


桜汰君


やだっ……


こんな言い方じゃ何かを期待してるみたいじゃない


桜汰君が振り向いて私を見ているのが分かったけど


どうしていいか分かんなくて


アスファルトをずっと見ていた