車がホテルに到着したのは、夕方6時を少し過ぎたところで


昼間よりは涼しい風が吹いていた



「部屋に戻ってのんびりしよっか??」


「あのさ、、」


部屋に向かって歩きだした私の腕を

桜汰君が優しく掴んだ


「ん???」


「ちょっとだけ、付き合って欲しいところがあるんだ……」


えっ、、、


「どこに??」


「ん〜、、行けば分かる、かな?」



何も教えてくれないまま、桜汰君の後を着いて行く







お互い無言のまま、ホテルのロビーに行くと

桜汰君は支配人らしき人と何か話をしてる



何、、、何かあったのかな?



不安が胸を霞めて、心臓が小さい鼓動を小刻みに打つ



「桜…………」


「花穂ちゃん、こっち。」


耐え切れなくて声を掛けようとしたけど、
タイミングよく桜汰君に呼ばれて、慌てて近づいた



「俺と銀星はこっちに入るから、花穂ちゃんはそっちの部屋に入って。」


「えっ、何で!!」



離れなきゃいけない意味が分かんなくて、
声がちょっぴり大きくなっちゃった


「とにかく入れば分かるから♪じゃッ!!」


意味深な言葉を残したまま

銀星を連れて、バタンと扉は閉められた…………