しかし目撃者も動転していて、証言がぶれてる。

 こりゃどうにもならないな。

 署に届く投書も偽者の方が多いくらいだ。

 この中から正しい情報を選りすぐるのは不可能に近いだろう。

 それでもやるしかないんだが。

 勿論わかっているだろうが、俺が心配だからって倫敦に来るんじゃないぞ?

 怒るな。冗談だ。しかしきっとその怒っている顔も可愛いんだ。

 愛してる。

     一八八八年 九月三十日 ジョージ・サンダーソンの手紙より抜粋