お気に入りのあの子。

 私の倫敦の友達、ジル・アン・エドワーズ。

 お金で愛を売り買いするだけの仲だけれど、出先で話し相手の少ない(会議の相手だとか、そんな味気もないものは会話とは言わないわ)私にとっては素敵な友達。

 最近のあの子のやつれ方が半端ではない。

 だって、あの子笑うんですもの。

 メアリが、例の最低なゲームで死んだのは私も知っている。

 でも、その上で彼女は私に笑いかけてくれる。

 無理しすぎよ。本当。

 友達をあんな亡くし方して、平静でいられるはずがない。