「……いそうだよね。久我先生だもん!」

私も慌ててその話に乗った。


「まぁね。確かにモテるもんね」


うん、そこ心配。

遥の言葉に思わず心の中で頷いてしまう。


「誕生日で思い出したけど、真央。彼氏の誕生日プレゼントどうした? もう終わった?」

「う、うんっ。……先週」


そういえば、二人に相談したんだった。


「結局、何あげたの?」

「……定期入れ。……財布はやっぱ、ちょっと高かったから」


大丈夫かな?

バレないかな?


「いいじゃん! 彼、喜んだ?」

「う、うん。使ってくれるって言ってくれた……」


その時気付いた。

私、髪触ってるし。


……琢磨が言ってたこと、案外適当じゃなかったかも。


「いいなぁ、ラブラブで」

「へへ……」





「真央、今日買い物行かない?」

「ごめんっ! 今日はちょっと用事あるんだ」

「そっか。じゃあねー」

「ごめんね。ばいばい!」


放課後、私は弾かれるように教室を飛び出した。

帰って掃除してご飯作らなきゃ。


階段を下りようとした時、踊り場の端に圭吾がいた。

普通に通り過ぎようと思ったけど、その足が思わず止まる。


だって圭吾の前には、プレゼントらしき包みを持った女の子と、彼女を取り囲むように数人の女の子がいたから。


…………。


音を立てないようにその場を離れて、別の階段から下りた。



受け取るのかな──……。