「…さん秋月さん」

ハッとわれに返ると
天地君に呼ばれていた。

「どこか体調悪いの?」

「あ、ううん、ボーっとしてて!」

顔をぶんぶん振ると天地君はちょっと笑った。

「あのさ、君に学校を案内して欲しいって言われているんだ。放課後時間ある?」

「うん」

「じゃあ放課後に」

そう言うと彼は自分の机に向き直ってしまった。

それを待っていたかのようにクラスの女の子達が話しかけてきた。どこに住んでるの?とか、たわいも無い話だったけど。

(これが【友達】って言うのかな・・・)

病院ではずっと1人だったからとても楽しかった。