「昴って、透の彼氏だよね? もしかして透の友達かなぁ~?」

「まあ一応」

「そうなんだぁ!」と可愛い笑顔を見せるちぃ君。


こちらを見てるお客さんはみんな頬を染めていた。


うん、無理ないわ。だって相当カッコいいもの。頭のてっぺんから足の先まで眺めずにはいられないもの。


「じゃあ……あの野良猫とも知り合いなんだ……?」


……ん?


「あっ! 席にご案内しますね~」


グレーアッシュのアシメヘアを揺らしながら、ちぃ君は先に歩き出す。


……今何か、黒くなかった? 表情変わらなかった?


「ギャップ萌……!」

「何萌えてんだドアホ。早く来い」


立ち止まるあたしの頭を軽く小突いてから、さっさと歩く忍にキュン度マックス。


「あたしは忍一筋よーーー!」

「ぐぇ!」


背中に突進して抱き付いても、忍はそのまま歩き続ける。


「ちぃ君にちょっとキュンとしてゴメンね?」

「ハイハイ」

「でもキュン数値は忍の方が上!」

「なんだキュン数値って」


忍に対する胸キュンの数値よ!


「忍は100億キラキラなの」

「キュンは? 何でキュンの話してたのにキラキラ? てかキラキラって何?」


忍の輝き度よ。ちなみに湊磨くんは2キラキラね。